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vol.225瓜田浩子さん秀子さん
作品のジャンルこそ違うが、母と娘で個展を開くことはどんなにしあわせな機会だろうか。3/29(木)から5日間、好間町にある〈ギャラリー木もれび〉で開催される「二人のーFUSON−HIROKO・TAKAKO展」。娘さんの瓜田浩子さんはタイルアートとペーパークイリングを、母の秀子さんは木目込(きめこみ)人形を出展する。陶器・紙・布の3つとふたりが二人三様に融合する個展に向けて意気込みを語ってくれた。

母娘。幸せな時間がもたらしたアートの融合を感じたい
■一辺のタイルが作りあげる豊かな世界
 瓜田浩子さんがタイルの世界に飛び込んだのは、今から14年前のことだった。それまで事務職に就いていた浩子さんが会社を辞め、建築の勉強をしていたときに受けた左官の授業だった。
 「タイルってこんなに綺麗で、素敵なものなんだと左官職人の方に教わったんです。そのときは建築の勉強をしていましたが、私がしたいのはこれだと思ったんです」例えば、シンプルな素焼きの植木鉢も、細かく砕いたタイルを貼り、目地材(セメントのようなもの)を埋め込んで仕上げれば、、ひと味違った鉢ができあがる。「生徒さんの中にこんな人がいました。息子さんが大好きだったお茶碗が割れてしまったので細かくして貼りり合わせ、植木鉢として蘇らせたんです」タイルは年月が経っても、日に当たっても色褪せることがないため、長年、形をとどめることができる。家の中はもちろん、屋外にも適し、ガーデニングやエクステリアにも用いられる。そして様々な色を組み合わせて多様に表現のできるアートでもあるのだ。
 タイルアートは「モザイクタイル」とも言われている。ルーツは紀元前3.000年の古代オリエントまで遡る。
 「単調な土色の壁面に色彩をつけ、雨や風で落ちないようにと色を施したレンガを焼いたことから始まったそうです。その後にスペインなどヨーロッパ各地に渡り、今でも寺院、教会、大聖堂など過去のものとは思えない鮮やかな色をとどめています。ずっと残るって素敵なことですよね」と浩子さん。
↑浩子さんがタイルで作ったウェルカムボード
■自分の好きなように作るのがいい
 「これも作っているんですよ」差し出されたのは、初めて目にするものだった。紙で作られている花が、額の中に刺繍のようにおさまっている。それは「ペーパークイリング(PAPERQUILING)」というペーパークラフトで少しずつ日本に広まりをみせている。とはいえ、まだまだこれを知っている人は少ないだろう。
 「新しいことを始めることは好きです。いいなと思う自分の感覚を大事にしながら、常に自分の感覚を大事にしながら、常に自分が好きなものを好きなように作っていきたいですね。それが心地いいんですね」
 現在、市内に3つの教室を持ち、タイルアートとペーパークイリングの指導をしている。ただでさえ忙しいのにも関わらず、教室以外に仕事も持ち、さらに月1回、東京へ最新のタイルアートを勉強するためにタイル作家・ながせみちお先生のもとへ通い続けている。
 「やればやるほど奥が深いんです。タイルの質感を変えるために薄いタイルを使ったり、ガラスを使ったり、金属や木を組み合わせたり、自分の好きなものを直感的にイメージして没頭している時間が一番幸せなんですよね」と笑う、そんな浩子さんに職人気質を感じた。
↑仏像をモチーフにタイルで作成
↑ペーパークイリニング。ニードルに巻き付けた細長い紙を組み合わせ形作る
■タイルアートと木目込人形異ジャンルの融合
浩子さんの母親でもある秀子さんが約30年間作り続けている日本の伝統工芸「木目込人形」とともに今回、親子二人の作品展が開催されることになった。「友達に贈りたい」というきっかけで始めたという「木目込人形」は秀子さんの師匠でもある会川静江先生を招いて自宅のアトリエで週に一度人形の教室を開く。
 一体が出来上がるまで約2ヶ月かかるという人形は持ってみると意外な軽さに驚く。桐塑(桐の木のおがくず)を固めた人形のボディにスジを入れ、布地をピシッとスジに差しこんでいく。そのスジが人形の着物の着付けとなり、美しさを放つ。
 「古くなった着物を使ったり、自分のペースで楽しんで作っているの」かわいらしい小さな雛人形から50センチにもなる人形まで、今まで作りあげた約40体を展示する予定だ。それは、浩子さんが生まれた頃から、コツコツと作られ、そんな母を彼女はずっと見ていたのかもしれない。
 今にして、「ものづくり」という同じ時間を共有する二人の世界のフュージョン(融合)をぜひ、感じて欲しい。
↑教室も開いている

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